ネガティブ感情との向き合い方:前に進むエネルギーを維持する!
ポジティブの押し売りだとポジティブにならない!?
基本的には、私たちは誰もが幸せになりたいと思っていると思います。豊かな人生を送り、やりがいのある仕事に就き、充実した日々を過ごしたいと思っている、ここに「異議あり」の意見はあまりなさそうに思います。そのために、多くの人がポジティブシンキングの重要性を説きます。確かに、ポジティブな面に目を向けることは大切です。しかし、ネガティブな感情を無視したり、排除しようとすることは本当に正しいのでしょうか?
ネガティビティバイアスという言葉をご存知でしょうか。これは、人間が本能的にネガティブな情報や出来事に注目してしまう傾向のことを指します。進化の過程で、危険を察知し回避するために発達した機能だと考えられています。つまり、私たちは生まれながらにしてネガティブな側面に目を向けやすいのです。
このバイアスを克服するために、ポジティブな面に意識的に注目することは確かに重要です。物事の良い側面を見つけ、自分の中にある前向きな気持ちに焦点を当てることで、ポジティブなエネルギーを引き出し、より充実した人生を送ることができるでしょう。
しかし、ここで注意が必要です。「とにかくポジティブに!」という考え方には落とし穴があります。以前誰かが「ポジティブの押し売り」と言っているのを聞いて妙に納得しました。 これだとなんでもかんでもポジティブで、ネガティブな感情を排除しようとする姿勢につながりかねないと思います。このアプローチには、いくつかの問題点がある感じます。
ネガティブの無視は何故リスクが高いのか?
まず、抑圧された感情はそのあとなんらかの影響を及ぼします(多くは悪影響の方ですね)。ネガティブな感情を無視したり隠したりすると、それはいつか爆発する可能性があります。また、将来何かに取り組む際の心のブレーキになったりします。しかも抑圧しているので本人も自覚を持ちにくいという割と絶望的な状態になります。また一つの感情にふたをするだけ、という器用さは残念ながら持ち合わせている人の方が少ないと思います。何かの感情から目をそらすということは、多くの場合他の感情も相対的に感じにくくなったりと、影響を与えたりする可能性があります。
※余談ですが、クライアントワークで、いろいろと対話をしたり質問したりしていると、「特に何も感じません」という方は一定数いらっしゃいます。感情にふたをするという行動パターンの影響も大いにあると思っています。
次に、そもそも論ですが、ネガティブな感情を無視することは、現実から目を背けています。人間である以上、ネガティブな感情を感じるのは自然なことです。むしろ、常にポジティブでいようとすることの方が不自然であり、現実離れしています。
では、ネガティブな感情とどのように向き合えばいいのでしょうか?
結論としては、「ネガティブ感情そのものが悪いのではなく、それに振り回されることが問題である」です。
ネガティブな感情に振り回されると、自信を失い、将来に不安を感じ、他人からの評価を過度に気にするようになります。これを「ネガティブファンタジー」と言っています。現実以上に状況を悪く想像してしまう状態です。
ではどうすればいいのでしょうか? ネガティブな感情に気づき、それを受け入れ、一緒に付き合っていくことだと思います。。これにより、ポジティブとネガティブのバランスを取ることができ、より豊かな感情・心の状態を探索していける感じがしています。
実践に向けて:おすすめのコツ
どんなやり方があるでしょうか? ネガティブな感情に気づき、受け入れるための自分なりのおすすめのコツをいくつか紹介します。※ほかにもいろいろ有効なやり方があると思いますので、ぜひ記事へのフィードバックとともに送っていただけると嬉しいです!
- 捉え方を変える: ネガティブな感情を敵ではなく、仲間として捉えてみましょう。なぜかというとネガティブな感情が生じるのは、多くの場合、恐れや不安が原因です。それは、自分にとって新しいことや、まだ十分に対処できないことに直面しているサインかもしれません。つまり、ネガティブな感情は、自分自身に「ここをもっと頑張ろう」「ここは頑張ったほうがええで!」と教えてくれている存在ともいえますね。このように捉えることで、ネガティブな感情を成長の機会として活用することができます。このとらえ方を意識しているとふとした瞬間に、なんとなくネガティブな感情に慈しみの気持ちがわいてきたりします・・・
- マインドフルネス瞑想を実践する: マインドフルネス瞑想は、自分の内面に意識を向ける実践方法です。呼吸に集中することで、自分の中にある様々な思考や感情に気づくことができます。これは、ネガティブな感情を含む自分の内面状態を客観的に観察する練習になります。
繰り返しになりますが、ネガティブな感情は人生の一部であり、それ自体が問題なのではありません。むしろ、それをどう扱うかが重要なんだなとつくづく感じます。ネガティブな感情を認識し、受け入れ、適切に対処することで、より豊かで充実した人生を送ることができます。ポジティブな面に目を向けつつも、ネガティブな感情も大切な情報源として扱う。このバランスの取れたアプローチこそが、心のエネルギーを育むんだなと。
ただそうはいっても私たちはか弱き人間です。ネガティブな感情との向き合い方を学ぶことは、決して簡単なプロセスではないと思います。日々修行のような感覚も必要ですよね。時間と練習が必要です。しかし、この過程を通じて、自己理解が深まり、感情のコントロール力が高まり、結果として人生の質が向上していくのではないかと強く感じています。あなたの人生の物語の中で、ネガティブな感情もポジティブな感情も、どちらも大切な一部として存在していると認識することが大事なんですね。