• JoyBizが考えるポジティブ組織開発のあり方と組織道による組織的レジリエンスの 向上とは何か

JoyBizが考えるポジティブ組織開発のあり方と組織道による組織的レジリエンスの 向上とは何か

元々JoyBizという会社は「働く人々が可能な限り至福の状態で事業に取り組める状態」を実現する為の組織を生み出すべく、その手助けを念頭に創業した会社です。

組織とは本来「異なる価値観を持った人達が共通する目的の達成に向けて力を凝集して、効率的にかつ相乗的にチーム活動を行う場」と云えます。共通する目的はお金であったり、夢の実現であったりと様々ですが、集う人にとって極端な違いはありません。

問題は異なる価値観の方です。価値観はそれこそ千差万別です。またお互いの関係ではその価値観が相剋したり、自我地位欲求に基づいた権力的な葛藤が起きるなど、余程の「共通目的」的な力が作用しない限りには調和は困難の局地となります。

しかしそこまでの調和を導き出す力は稀有と云えます。それでも社会貢献や自己実現をより確かにまたより恒久なものにするには、組織は必要不可欠な手段として求められることになります。

組織の「守・破」 型を身に着け進化する

ではこの暴れ馬のような存在である組織をうまく治めて、有用な存在にするにはどうしたら良いでしょうか。それにはまず組織に与する人たちが、できるだけ公平に扱われ、個々の生産性が最大化されるような状態で円滑に関係するための守るべきルールや秩序が求められることになります。

しかしそれだけだと組織は徐々に惰性化して硬直化していきます。そうすると変化することが常態の周辺環境と齟齬が生まれ、秩序が徹底した組織ほどその因習に縛られて、変化に取り残されて枯れ死することになります。

それを避けるには組織外に対しても組織内の関係に対しても常態的に変わる周辺環境に対応するための統制活動が求められることになります。

 

組織内で個々人が勝手気ままに自己の行動を最大化すれば、関係の中や全体バランスの中で亀裂や摩擦が生じ、生産性は破断的に崩壊していくことになるということは、考えるにそう難しい話ではありません。

だからこそ組織は経営者を筆頭に、組織内の責任負担に応じて統制は階層を通じて上意下達的に発せられることになります。この時に重要になるのが「三面等価の原則」です。

これは責任と義務と権限は、その人が与えられた目的の範囲と等価でなければならない、という秩序法則です。これは責任を基軸に責任以上の義務もなければ、逆に責任以下の義務もないということで、権限や目標も同様に等価であるということです。

当然組織の中の目的範囲が異なる立場において、範囲が広い人に属する狭い人は広い人の行動に従うのが組織階層の意味であり、両者の関係における繋ぎ目ということ

になります。これが上位下達の意味です。

 

但し、組織はあくまでも基本的人権という社会ルールに準じて行われなければなりません。つまり例え上司であっても仕事に関する義務の範疇以外で権限や権力の行使は為してはならないということです。

仕事の義務とはあくまでも組織と本人とが契約で結んだ関係です。気をつけなければならないのは、上司と部下との間での契約ではないということです。あくまでも労務契約です。こういった原則を逸脱した独断行動や歪んだ関係行動は組織や人権に多大な損失やリスクをもたらすことになります。

しかし現状ではこの逸脱行為がどこの組織でも至る所で発生しています。一つは組織という存在に対する無知さに起因しています。上司側から発生する問題も部下側から発生する問題もまずは無知が為せることです。もう一つは自己の人間性としての未熟さに起因するものです。自己管理や自己統制の弱さが引き起こす問題です。

 

人間ですから完璧というわけには参りませんが、昨今非常にこういった組織における問題が頻発し始めています。モグラ叩き的な対応では限界を超えてきているのが実際です。

こういった問題を根本的になくすには、先のような発生した問題個々に対処するだけではなく、意志を持って職場の人的リスクの要因を事前に予防して行かなければなりません。

当然、すべての予防は不測事態もあるので不可能ですが、発生をできる限り軽減させ、更にいち早く状況を是正復元するには、それが出来る組織の行動態勢が必須となります。

 

組織の「離・創」 ポジティブ組織開発

では具体的にはどこに照準を合わせて組織の歪みや問題を是正し、強化開発していけば良いのでしょうか。

それはまず誰もが認知している問題を切り口にして、徐々にその源となっている組織の根本原因に切り込んでいくのが最も効果的なアプローチになります。その誰しもが認知する問題とは何か。

最近ではメンタルヘルスとダイバシティ&インクルージョン、認知相違的衝突、特にハラスメント問題がテーマの中心になっています。どれもまさに組織や人権に多大な損失やリスクをもたらす組織の原則を逸脱した独断行動や歪んだ関係行動です。

一つ一つはバラバラに現場で起きる問題ですが、こういった現場個々で起きる問題が徐々に組織全体にハレーションを引き起こすのです。またそもそもは組織全体の空気が現場の諸所の行動の元凶になっていることもありますが多々あります。

 

このテーマを切り口に、まずはこういった問題を引き起こす個々人の心理状況、それを生み出す職場環境(労働時間などの物理環境もあるが管理者の態度のような心理環境もある)に目を向け、その強化開発から組織全体に流れる意識や行動様式のリニューアルを作り上げます。

その鍵となるのがレジリエンス力の開発です。レジリエンスとは「逆境や困難によって弱まった心力を持ち直したり、そもそもそういった状況を受け流せるしなやかな心力を持つ」ことで、「自分の内面を常にポジティブな状態に維持させる力」です。

その鍵となるのが「平常心」と「自己肯定観」の確立です。そうこの二つの開発や醸成を通して組織の大勢をポジティブ心理化(そういう意識や認知の状態)させていくわけです。

 

JoyBizではそういった組織をポジティブな組織ととらえており、その実現のために「人の中にあるポテンシャルを引き出し高いパフォーマンスをはぐくむ」ための方法論・アプローチをポジティブ組織開発と呼んでいます。

このアプローチは、レジリエンスの要である平常心と自己肯定観の醸成を基軸にして、まず従業員個々に備わっているレジリエンスを更に強化することから、職場やチームへの適応力や問題解決力を向上させ、加えて組織内の対話の円滑レベルを上げることから組織内の空気をポジティブ化することによって、組織や職場の凝集性を高め、組織全体をしなやかに強くして、生産性や快適性を向上させていきます。

つまり組織における個々人のレジリエンス力を開発することによって組織を「変化に強い」体質に作り上げていくのです。

その様にして最終的には個人同様に組織自体がレジリエンス力を身につけた状態を作り出すことが予防的アプローチの本質です。

 

組織としての平常心と自己肯定観は、まず所属する個々人、特に管理者の平常心と自己肯定観に端を発します。組織は組織としての法人格を為しますが、起点はあくまでも所属する生身の人間個々の集まりだからです。

その個々人が問題を抱えるから、それが悪い方に関連づけられて組織の問題に発展するのが主たる流れといえます。現場、ここで起きる諸問題が組織全体にハレーションを引き起こすのです。

実際、今会社の管理者や人事担当の悩みは職場の人にまつわる問題ばかりです。しかしそれが一つの悪しき文化となって一旦その組織に定着して内在すると、その文化が「神の見えざる手」となって各現場の個々人の心を侵略し、沸点を下げることから、普段では考えもつかないようなところで問題が発生してしまうという現実まで目を配っている管理者や人事担当者は少ないといえます。

これが組織文化の恐ろしい側面です。組織問題は有機的問題です。人の問題もそうですが簡単に区分けできるものではありません。にも関わらず組織を一面的(ハードの側面)でしか捉えてこなかったことによる無知が故の組織問題アプローチが、問題を更に歪めてしまうという悲劇がこれ

まで多くの組織体で引き起こされていました。

例えば、今から一世代前、平成までは、どこの組織も人材育成とメンタルケアを区分けして、人材育成は社員の強化策として人事が担当し、メンタルケアは不調となった社員を救済するために労務が担当するといった、同じ人へのアプローチなのに違った担当が狭い了解で行っていました。

そのため、社員の認知の中でも両者が別に捉えられ、人材育成の手段(強いものが絶対)がメンタル問題を引き起こすといった矛盾も起きていました。

最近ではようやくメンタル問題も人材育成の一環であるといった認知も出始め、両者の区分けは徐々になくなりつつありますが、それでもまだまだ人材育成としての要件として認知できていない社員がメンタル問題をおざなりに扱い、現場で様々な障害を生み出しているという事例も後を絶たないのが実際のところです。

当然この問題が組織全体が積み上げた文化がもたらしている側面も多大にあるというレベルまで探求している経営者や人事担当者はまだまだ少ないのが実態といえます。

 

今日のメンタル不調の主因は激務による過労やハラスメントです。それによってうつ病を発症したり、仕事意欲の低下や感情的な暴走などを引き起こします。それが苛烈すると自殺とか精神不安定による不祥事の引き金にもなっています。

しかしそれはあくまでも導入での原因といえます。それを梃子に心理的原因が周りにハレーションを起こして別のメンタル不調を引き起こしているという事実から目を背けてはいけません。そこから目を背けて安易に個々人に対してだけの手を打とうとするから対処療法となって、問題は一向に好転しないということに陥るのです。

まるでゴキブリ駆除を対処的に一部でやって、その間ゴキブリは他所へ逃げて、その後他の部署がこれまた対処的に駆除したら、駆除が終わったと高を括っている元の場所に戻ってくるかの如く、それがグルグル廻って一向に埒があかない状態が好例です。

 

今起きているメンタル不調のきっかけとしては、①人員削減と採用抑制による加重労働化。②仕事能力のある人への業務の集中。③コストダウンによる更なる人員不足。④ゆとり教育や飽食による精神の緩慢化。⑤ネット交流による対人関係の希薄化。⑥コロナ禍での自粛による孤立化などが挙げられますが、それによって、

ⅰ疲労困憊で人への関心が持てない。心に余裕が持てない。

ⅱ感情が擦り切れて全てがネガティブ基調になる。すぐにマイナス感情になるし、またそれを制御できない。

ⅲ余裕がないから部下育成もチーム作りもままならない。対話すらまともに出来ない。

ⅳ組織的にも問題が頻出する中で、発生するマイナスを出来るだけ減らすアプローチが関の山になっている、と云った状態に陥っています。

それ故か、はたまた前述の如く経営者や担当者が組織のイロハがきちんと理解できていないからか、実際現場に対して打たれている施策の多くは、基本労働契約法5条「使用者の安全配慮義務」といった認知による対処療法ばかりというのが目に映るところです。

しかしこれは対策はやっていますという「エビデンス」の為のアプローチであり、手段の目的化に過ぎないのは周知のことです。その顕著な動きが、

一通りの知識を出来るだけ短時間で社員に伝達すればいいといったアプローチ。

一方的な説明に終始するアプローチ。

内容を簡素化下アプローチ。

eラーニング化というアプローチ

 

これらの横行です。

社員も実施するサイドがそういう認知が見え見えだから本質の打開に目を向けず、打つ手を後回しにしているのが現状で、挙句の果ては対象者本人たちに全ての罪をおっ被せるような、「メンタルタフネスを高めてほしい」「打たれ強くしてほしい」「柔軟な思考が出来るようにしてほしい」「視野を広くしてほしい」「失敗や苦脳に耐えられる心持にしてほしい」といった経営者や担当者のボヤキの嵐です。

そしてこれがこの20年で階層的にどんどん重層化してきているという有様です。「上から下まで皆もう心がへとへとに疲れている」といったどん詰まりの様相です。

 

ポジティブ組織開発を可能にする「平常心」と「自尊心」      実践のポイント紹介

ではどうやってこれを紐解いていけば良いのでしょうか。

仕事や組織行動に限らず日々生活していく中で、不安な気持ちや怒り、悲しみといったネガティブ感情によって心をかき乱されることは誰にでもあることです。人間である以上そのような感情を抱くのは当然の話です。重要なのはそこからです。

その当たり前を前提として、そういった自分の気持ちの動きにしっかりと目を向けて、うまくコントロールすることが出来れば、どんな状況でも冷静な判断を下し、目の前の物事にも集中して取り組むことができます。

そういった心持は問題解決にも有効に作用して、次第に生産性の向上に繋がり、結果として活動の好循環を生み出すことにも繋がります。こういった心持を先述の「平常心」と云いますが、この平常心を保つ力のことをレジリエンスと称します。平常心とは「ポジティブな心持の状態」のことです。

組織や職場の人全員が平常心を持ち、それを恒常化させながら、全員がそういった心持でコミュニケーションやコラボレーションをしていけば、組織全体の生産性も次第と上向いていき、その凝集性や効率性によって過重労働も緩和されることに繋がっていきます。

この状態がレジリエンス組織でありポジティブ組織です。では具体的にどうすれば平常心を保つことができるのでしょうか。 というわけでまず今回は、自分の感情をポジティブ(自己肯定観)にコントロールし平常心を保つ方法をテクニック的に紹介させて頂きましょう。

 

平常心を失ってしまった場合、それを重く考えて肩ひじを張らなくても、簡単なテクニックで自己肯定観を高めることから、平常心を取り戻したり維持したりすることができます。 それはポジティブ自己暗示を掛けることです。

①自信がなくなってきたと感じたり、少し不安になったら、自分で自分をハグしながら「大丈夫」と声をかける。

②少し嫌なことがあったら、手を洗いながら「ツイてる」とつぶやく。

③頭の中が散らかって、考えがまとまらないときは、掃除しながら「できる」とつぶやく。

といったアプローチをすることです。

騙されたと思っても一度試してみてください。何となく心が晴れる感じが体感できるはずです。

大事なのはこれを繰り返すうちに暗示がより堅牢なものに強化されていってまるでジンクスのように心をコントロールしてくれるようになることです。

そしてやがてこれが心に浸透して「どんな状況に陥ったときでも、この方法で平常心を取り戻せる」ということを知っているだけで、不安になったり自信がなくなったりしても、大丈夫だという安心感が脳裏に刻まれ、いざとなったときに頭に浮かび上がってくるようになる、ということです。

 

このテクニックの重要なポイントは、小さなステップを超えていくという感覚です。 本当のゴールは深層的に自己肯定観が高まり、平常心をいつでも保てる状態になっていることです。

しかしこのゴールに到達するためには、かなり大きなステップを超えていく必要があります。 でも大きなステップを超えることは簡単ではありません。急に大ジャンプができるわけでもないですし、やれば反作用や下手を打つと骨折してしまいかねません。 そんなときは、大きなステップを小さなステップに細分化して行うのがベストなのです。

とにかく小さなステップの積み上げです。そして小さなステップを超える度に自分で自分を褒めてあげるのです。ポジティブマインドアップを自身に仕掛けていくのです。

大きなステップを小さなステップに細分化することは、スモールステップの原理といわれています。 これはアメリカの心理学者であるバラス・スキナーによって提唱されました。

ゴール(=目標)を細分化して、簡単な内容から小刻みに達成していく。そうすることで、最終的に目標を達成するという方法です。細分化することにより、確実に前に進むことができ、ゴールまでの達成率は徐々に上昇していきます。

そして、少し進むたびに自分を褒めることで、モチベーションを維持することができることができます。実はこの”褒める”という行動が非常に重要なのです。人間は褒められると、脳にある報酬系という回路が活性化し、モチベーションを高めてくれます。

 

平常心と自己肯定観は表裏一体の関係にあります。自己肯定観が高まると平常心が堅朗となり、平常心を保つことで自己肯定感が高まっていくというWin-Winの関係にあります。

自己肯定観が高いと素直に謙虚に自分を直視することが出来るようになります。そして自分の心の状況をきちんと客観視することで、平常心を保つことができます。

そして平常心が堅朗になれば、もしそれが何かのアクシデントで崩れそうになったときも、スモールステップの原理で再度自己肯定感を高めることから、平常心を取り戻すことができます。

更に、平常心を保つことができれば、勝手にますます自己肯定感が高まっていくことになり、ポジティブのスパイラル向上が起き始めます。 まさに良いことづくめなのです。

 

自己肯定感を高め、平常心を統制し、皆さんが常に自分らしいポジティブな状態を維持することから組織での前向きな対話や関係が向上して組織のレジリエンスが高まる、ポジティブ組織が現出することがJoyBizの描く組織開発のあり方です。

 

さて、皆さんは「ソモサン」?